WORKS NO. 617 赦しと自然の代償
犯しきた
罪はすべてと
許される
そんな幻想
自然は覚ゆ
人は、生きるために多くのものを奪ってきた。
森を切り、川を変え、土地を削り、他の命の居場所を奪いながら、文明を築いてきた。
それは単なる「悪」ではない。
生き延びるための選択であり、歴史の必然でもあった。
しかし、その積み重ねが自然に与えてきた影響は、決して消えるものではない。
気候の変化、生態系の崩れ、資源の枯渇。
それらはすべて、人間が積み上げてきた「見えない負債」である。
ここで重要なのは、「許されるかどうか」ではない。
自然は裁く存在ではなく、ただ結果を返す存在だからだ。
どれだけ後悔しても、どれだけ願っても、
行為の結果そのものは、静かに世界に残り続ける。
だからこそ問われるのは、これからどう生きるかである。
奪うだけの関係から、循環させる関係へ。
消費するだけの存在から、再生に関わる存在へ。
資源を使うなら、戻す仕組みを持つこと。
環境に依存するなら、環境を守る責任を持つこと。
個人の選択も、社会の制度も、
その両方が噛み合って初めて、共存は現実になる。
自然との共存とは、理想論ではない。
それは、生き延びるための最低条件である。
「すべてが許される」という発想から離れ、
「どうすれば持続できるか」を考えること。
その視点を持てるかどうかが、
これからの人間の在り方を決めていく。
WORKS No.617

