WORKS NO. 670 言葉のあとで
言の葉が
少し強すぎ
胸を刺す
あとで気づいて
ひとり赤面
デリカシーのない自分に、あとから気づいて嫌になる。
その場では何気なく口にした言葉が、
少しだけ強く、少しだけずれていたことに気づく瞬間がある。
悪気はなかったはずなのに、
相手の表情や空気の変化が、静かに引っかかる。
言葉は形が残らない分、軽く扱ってしまいがちだが、
確かに相手の内側に触れている。
だからこそ、言った後に遅れて理解することもある。
「あの一言はいらなかった」と。
けれど、その気づき自体が無意味なわけではない。
むしろ、自分の感覚が少しずつ育っている証でもある。
誰もが最初から繊細でいられるわけではない。
ぶつかりながら、失敗しながら、
少しずつ距離の取り方を覚えていく。
大切なのは、無かったことにすることではなく、
次にどう言葉を選ぶかだ。
一度の不器用さで、自分を決めつける必要はない。
気づいた分だけ、少しやさしくなれる。
そうやって、人との間にある見えない距離を、
少しずつ整えていけばいい。
WORKS No.670

