WORKS No. 669 ドジの美学

WORKS No. 669 ドジの美学

WORKS NO. 669 ドジの美学

またやった
笑うしかない
この失敗
転んだ跡に
花を描こう

自分のドジに、思わず頭を抱える瞬間がある。
うまくいくはずだったのに、最後で転ぶ。
けれどその姿は、どこか人間らしくて、
少しだけ滑稽で、そして愛おしい。
完璧に整った線よりも、
少し歪んだ線のほうが、なぜか記憶に残る。
ドジとは、ただの失敗ではなく、
自分という輪郭にできた、ひとつの筆跡だ。
転んだ場所に印が残るなら、
そこに何かを描き足せばいい。
恥ずかしさも、照れも、苦笑いも、
全部まとめて色にしてしまえばいい。
気づけばそれは、誰にも真似できない
自分だけの表現になっている。
だからまた失敗してもいい。
むしろ、その方が少し面白い。
ドジは消すものではなく、
重ねていくことで、形になる。
人生は、完璧な作品ではなく、
未完成のまま描き続ける一枚の絵だ。

WORKS No.669