WORKS NO. 645 飲み込まれた街の中で
均された
街の隙間で
息を吐き
背を正しつつ
我を立てゆく
形を整えられ、均一に揃えられた街の中では、個はしばしば輪郭を失う。
流れに合わせることが求められ、違和感は削られ、気づけば収まりのいい存在へと変えられていく。
だがその中でも、人は完全に同化するわけではない。
小さな違和や、わずかな意志が、内側に残り続ける。
押し込められるほどに、内側は静かに反発し、
見えないところで自分という軸を保とうとする。
この街で生きるとは、従うことだけではない。
整えられた枠の中で、どこまで自分を崩さずにいられるかという試みでもある。
胸を張るという行為は、誇示ではない。
押し流されないための、最小限の抵抗であり、
存在を保つための、静かな意思表示だ。
WORKS No.645

