WORKS No. 849 愛を喰らう永遠

WORKS No. 849 愛を喰らう永遠

WORKS NO. 849 愛を喰らう永遠

人類が地下へ逃れて百年。地上には、人の愛を餌にして増殖する魑魅魍魎が満ちていた。
愛する者を思うほど怪物は強くなり、家族の記憶を抱く者から先に襲われた。生き残るため、人類は愛を危険な感情として封印し、巨大な地下都市で眠り続けた。
地上に残されたのは、八歳の少女トワと、彼女を搭載する戦闘ロボット「永遠」だけだった。
トワの任務は、目覚めた魑魅魍魎を一体残らず駆逐すること。その小さな身体には、人類から抽出した愛の記憶が埋め込まれていた。
母の子守歌。
父の大きな手。

初めて名前を呼ばれた喜び。
別れのときに流した涙。
それらを弾丸へ変えるたび、「永遠」の砲口から赤い光が放たれ、怪物は断末魔とともに消滅した。
しかし、一発撃つごとに、トワの中から誰かを愛した記憶が一つずつ失われていく。
「どうして私は泣いているの」
少女の問いに、「永遠」は答えなかった。
戦いは何年も続いた。身体の成長を止められたトワは、八歳の姿のまま無数の怪物を殺し続けた。
最後の一体を追い詰めた夜、その怪物は攻撃せず、トワに古びた人形を差し出した。
それは、彼女が幼い頃に母から贈られたものだった。
怪物の顔が割れ、中から人間の女性が現れる。
「トワ、もう撃たないで」
その声は、失ったはずの母の声だった。
魑魅魍魎の正体は、人類の愛を奪った敵ではなかった。愛を封印された人間たちから切り離された、悲しみや執着、会いたいという願いが、地上で形を持ったものだった。
人類は心の痛みから逃れるため、自分たちの愛を怪物と呼び、幼い少女に処分させていたのである。
さらに「永遠」の真実も明かされた。
その機体を動かしていたのは、トワの父の意識だった。娘を守るため機械になった父は、命令に�

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