WORKS NO. 841 怪異の娘
赤き月
仮面の奥に
棲む孤独
人を恐れる
怪異の娘
赤い月が昇る夜、異界と人の世の境に、一人の娘が現れる。白い肌、燃えるような瞳、傍らには怪異の仮面。その姿を見た者たちは、彼女を恐れ、災いを招く存在だと決めつけた。
しかし、娘は人を襲うために来たのではない。誰にも理解されず、居場所を失った孤独から逃れるため、人の世界を静かに見つめていたのだ。
人は理解できないものに出会うと、それを怪物と呼ぶ。けれど、本当の怪異は異形の姿ではなく、知ろうとせずに拒絶する心の中に生まれる。
娘が仮面を外す日は来るのだろうか。それは人が恐怖よりも優しさを選び、違いの向こうにある心を見ようとしたとき。怪異と人間を隔てる境界は、姿ではなく、理解しようとする意志によって消えていく。
WORKS No.841

