WORKS NO. 832 若さに課せられた束縛
若き手に
絡む鎖を
解く鍵は
学び感謝し
己を磨く
若さには力がある。しかし、その力だけですべてをもぎ取ろうとすれば、かえって道は閉ざされます。
新しい世界へ入ったばかりの人が、経験者と同じように振る舞えないのは当然です。だからこそ、ベテランが手を差し伸べ、知識や技術、人との接し方を伝える。それは社会の中で受け継がれてきた大切な助け合いです。
ベテランが自信を持っているのは、天狗になっているからとは限りません。失敗し、恥をかき、何度も壁にぶつかりながら、それでも続けてきた苦労があるからです。その経験には、新人が同じ失敗を避けるための知恵が詰まっています。
しかし、助けてもらうことを当然だと思い、感謝もせず、自分のやり方だけに固執すれば、人の輪には入れません。一つの成功パターンに捕まれば表現の幅は狭まり、やがて続かなくなります。
輪に入るために必要なのは、自分を捨てることではありません。挨拶し、相手の話を聞き、質問し、教わったことを試し、感謝を言葉と行動で返すことです。コミュニケーションとは服従ではなく、互いの経験と個性を交換するための橋です。
絶対的個性とは、誰の言葉も聞かず、奇抜さだけを押し通すことではありません。
多くを学び、さまざまな方法を試し、失敗と経験を重ねた末に、それでも残る「自分にしかできない選択」です。教えを模倣で終わらせず、自分の中で組み替え、新しい形へ育ててこそ個性になります。
感謝を忘れない新人は、人から学ぶ機会を失いません。若さを縛る鎖を外す鍵は、力技ではなく、対話と感謝、そして学び続ける姿勢なのです。
WORKS No.832

