WORKS No. 633 喧騒の夜に待つ約束

WORKS No. 633 喧騒の夜に待つ約束

WORKS NO. 633 喧騒の夜に待つ約束

泣かないで
喧騒の夜に
ひとり抱く
膝の震えを
迎えに行くよ

街は騒がしく、光も音も絶え間なく流れているのに、
その中心で、あなたはひとり、膝を抱えている。
誰にも気づかれないように、
涙をこぼさないように、
ただ静かに、時間だけをやり過ごしている。
喧騒は人を孤独から救うものではない。
むしろ、それは孤独をより際立たせる。
人の気配に囲まれながら、
触れられない距離の中で、
心だけが取り残されていく。
それでも、あなたは待っている。
言葉にならない約束を、
形にもならない安心を、
ただ信じるように。
だから、泣かないで。
その震える膝も、
押し殺した声も、

すべて抱えたままでいい。
夜を越えて、必ず辿り着くから。
あなたがひとりでいる時間も、
孤独に押し潰されそうな瞬間も、
そのすべてに意味があったと思えるように。
静かに、しかし確かに、
あなたのもとへ向かっている。
約束の、その先へ。

WORKS No.633