WORKS No. 611 街の孤独

WORKS No. 611 街の孤独

WORKS NO. 611 街の孤独

喧騒に
包まれながら
街はまた
孤独な顔を
どこかで見せる

街は、常に賑わっているように見える。
人の流れ、車の音、光の連なり。
絶え間なく動き続けるその姿は、
まるで「孤独」とは無縁のようにも映る。
しかし、その喧騒の中にこそ、
見えにくい静けさが潜んでいる。
人が多いほど、
すれ違いは増え、関わりは薄くなる。
隣に誰かがいても、
心が交わらなければ、それは孤独と変わらない。
街は、人の集まりでできている。
だからこそ、その中にある孤独もまた、
人の数だけ存在している。
明るく照らされた通りの裏で、
誰にも気づかれない時間が流れている。
それでも街は、何も言わずに動き続ける。
誰かの孤独も、誰かの温もりも、
すべてを抱え込んだまま。
喧騒と孤独は、対立するものではない。
同じ場所に、同時に存在している。
その事実に気づいたとき、
見慣れた街は、少し違う表情を見せ始める。

WORKS No.611