WORKS NO. 447 爪痕を残そう
意味もなく年老いていく人生だけは、できれば避けたい。
生きた時間が、ただ消費されていくだけの歳月になってしまえば、
そこに「生きた証」は残らない。
人が子孫を残すという行為は、単なる本能ではなく、
自分の存在を未来へと手渡す、ひとつの形でもある。
血がつながることで、価値観や記憶、在り方が連なり、
命は時間を超えて受け継がれていく。
それは、人間が持ち得る「永遠」に最も近い営みだ。
だが、結婚しない人生もまた、尊重されるべき選択だ。
問題は、形ではなく「何を残すか」である。
子どもを持たないなら、思想を残せばいい。
言葉を残せばいい。
行動を残せばいい。
誰かの人生に影響を与えたという事実を残せばいい。
誰にも覚えられず、何も残さず、
ただ消費されるように生きていくのは、あまりにも寂しい。
だからこそ、人は意志をもって生きる必要がある。
何かに挑み、何かを生み、誰かの心に爪痕を残す。
それが、血縁があってもなくても、人がこの世界に刻める「生きた証」なのだ。
WORKS No.447

