WORKS No. 421 厳しい世間の闇

WORKS No. 421 厳しい世間の闇

WORKS NO. 421 厳しい世間の闇

働くということは、美しい言葉ほど単純ではない。
努力すれば報われる、真面目にやれば認められる――
その理想が通用しない現場は、想像以上に多い。
時間を切り売りし、心身を削り、責任だけが積み上がる。
成果を出しても評価されず、空気を読めば利用され、
声を上げれば「面倒な人間」と切り捨てられる。
働く現実には、静かで重たい闇が横たわっている。
金を稼ぐことも、決して簡単ではない。
才能、運、人脈、資本、情報――
どれか一つ欠けただけで、同じ努力は容易く踏み潰される。
汗を流す量と、手元に残る金額は、
必ずしも比例しないという不条理が、
日常として当たり前に存在している。
「儲かる話」ほど危険で、
「真っ当な稼ぎ」ほど時間がかかる。
世間は優しくはない。
だが残酷でもない。

ただ、冷酷なまでに現実的なだけだ。
幻想を抱いた者から削り落とし、
準備と覚悟を持つ者だけを、
静かに、執拗に試し続ける。
だからこそ人は、学び、疑い、耐え、
それでも立ち続けるしかない。
働く闇とは、社会の欠陥であると同時に、
人間の甘さを映す鏡でもある。
夢を見るな、とは言わない。
ただ、夢を見るなら、
現実を直視した上で立て。
それが、この世間で生き延びるための、
最低条件なのだから。

WORKS No.421