WORKS No. 411 それでも飛ぶ

WORKS No. 411 それでも飛ぶ

WORKS NO. 411 それでも飛ぶ

翼あれど
飛び立てぬまま
立ち尽くす
ひとりになるのが
怖くてつらく

翼はあった。
想いも、言葉も、伝える理由も。
それでも立ち尽くしていた。
告げてしまえば、
これまでの関係は戻らない。
その現実が、どうしても怖かった。
積み重ねてきた日々があった。
何気ない会話、沈黙の心地よさ、
励まし合った時間、
言葉にしないまま育っていった距離。
それらを壊してしまうかもしれないと思うと、
一歩が踏み出せなかった。
告白するということは、
結果を引き受けるということだ。
喜びも、拒絶も、沈黙も、
誰のせいにもできない。
それでも自分の気持ちだけは、
誤魔化せなくなっていた。
怖さは消えなかった。
失う可能性も消えなかった。
それでも、
想いを抱えたまま立ち尽くす理由は、
もう残っていなかった。
伝えると決めた。
これまで築いてきた日々ごと、
この気持ちを差し出すと。
関係を守るために黙るより、
真実を差し出して前へ進む道を選ぶ。
翼は、
安全な場所に留まるためのものではない。
自分の想いに責任を持ち、
人生を動かすためにある。
だから私は、今ここから飛ぶ。

WORKS No.411