WORKS NO. 835 父として
息子を持つということは、守るべき命が増えると同時に、自分の弱さと向き合うことでもあった。仕事の苦しさ、生活への不安、思うようにならない現実。何度も立ち止まり、逃げ出したい夜もあった。それでも息子の寝顔や笑顔を見るたびに、父としてもう一度立ち上がろうと思えた。息子を支えているつもりで、実は私のほうが生きる力をもらっていたのだ。
父は完璧ではない。迷い、間違い、時には弱音も吐く。それでも困難を越えてこられたのは、息子に恥じない生き方をしたいという願いがあったからだ。強さとは、倒れないことではなく、大切な人のために何度でも立ち上がることなのだと思う。
息子には、誰かと比べる人生ではなく、自分の心に正直な人生を歩んでほしい。失敗を恐れず、夢を持ち、人を思いやり、自分自身も大切にしてほしい。立派になることよりも、幸せを感じられる人であってほしい。そして苦しい時には、一人で抱え込まず、いつでも父を頼ってほしい。
息子が生まれてきてくれたこと。それが父としての最大の幸せであり、これからも変わることのない、私の願いである。
WORKS No.835

