WORKS No. 836 母として

WORKS No. 836 母として

WORKS NO. 836 母として

子どもを持つということは、大きな喜びと同時に、一つの命を守り育てる責任を背負うことでもあった。眠れない夜、終わりの見えない家事や育児、自分の時間を後回しにする毎日。体が疲れていても、心が折れそうでも、子どもの泣き声を聞けば立ち上がる。母になったから強くなれたのではなく、守りたい命があったから、弱さを抱えたまま強くあろうとしてきた。
母は、何でも一人でできる存在ではない。迷い、悩み、時には間違える。だからこそ、父と支え合い、喜びも不安も分かち合いながら、家族という居場所を育てていく。父にも苦労や責任があり、言葉にできない重圧がある。互いを責めるのではなく、感謝し、補い合うことが、子どもの安心と家族の笑顔につながるのだと思う。
子どもには、誰かの期待だけを背負うのではなく、自分らしく生きてほしい。失敗しても立ち直り、人の痛みを想像し、自分の心と体も大切にできる人になってほしい。そして苦しい時には、家族を頼ってほしい。帰る場所はいつでもここにあると伝え続けたい。
家族の幸せを守ることだけが、母一人の役割ではない。母自身が笑い、休み、夢を持つ姿もまた、子どもに生きる希望を伝える。子どもの成長を父と見守り、家族で同じ季節を重ねていけること。それが母として授かった、かけがえのない役割であり、何ものにも代えられない幸せである。

WORKS No.836