WORKS NO. 658 瓦礫に築かれる楽園
崩れゆく
その跡地から
芽吹くもの
痛みの上に
楽園は立つ
楽園とは、最初から用意された場所ではない。
それは多くの場合、何かが壊れた後に生まれる。
失敗、崩壊、喪失。
一見すれば終わりに見える出来事も、
別の視点から見れば、始まりの土壌になる。
瓦礫は、ただの残骸ではない。
そこには過去の選択と結果が積み重なっている。
だからこそ、その上に何かを築くとき、
人は以前よりも深く考え、
同じ過ちを繰り返さない構造を求める。
痛みを経験したからこそ、
見えるものがある。
壊れたものを否定するのではなく、
それを土台として再構築する。
そこに生まれる楽園は、
無垢ではない。
だが、その分だけ現実に根ざしている。
完璧ではないからこそ、
崩れにくい。
瓦礫の上に築かれる楽園とは、
過去を消すのではなく、
過去を受け入れた先にしか現れない形だ。
WORKS No.658

