WORKS NO. 643 息を忘れるほどの愛しさ
愛しさに
息さえ忘れ
見つめ合い
切なき熱が
胸を満たして
愛しいという感情は、ときに呼吸すら奪う。
苦しさではなく、ただ満たされすぎることで、
身体が静かに追いつかなくなるような感覚。
目の前にいる存在だけが、輪郭を持ち、
世界の他のすべてがぼやけていく。
言葉にするには、あまりにも繊細で、
触れれば壊れてしまいそうなほどの熱。
その瞬間、時間は流れていないように感じる。
ただ、胸の奥で揺れる切なさだけが確かにある。
愛しさとは、優しさだけではなく、
触れられそうで触れられない距離の中で、
静かに膨らみ続ける感情なのかもしれない。
息を忘れるほどに。
WORKS No.643

