WORKS NO. 637 変わったのは誰か
人の気も
知らぬまま言う
変わったと
その軽さこそ
顔に滲み出る
「変わったな」と簡単に言う人がいる。
その言葉は、相手を理解した上で出てくるものではなく、むしろ「理解していないこと」を露呈している場合が多い。
人は理由もなく変わるわけではない。
経験や痛み、環境や選択の積み重ねによって、少しずつ形を変えていく。
だが、それを見ようとせず、ただ「前と違う」という表面だけを切り取る人は、相手ではなく、自分の認識の浅さを語っているに過ぎない。
本当に見るべきなのは「変わったかどうか」ではなく、「なぜそうなったのか」という過程だ。
そこに目を向けられないまま発せられる言葉には、どこか胡散臭さが滲む。
それは相手の変化ではなく、発する側の限界が映し出された表情なのかもしれない。
WORKS No.637

