WORKS NO. 594 限りある今
少しずつ
こぼれてゆく日
抱きしめて
限りある今
大切にする
時間は、気づかぬうちにこぼれていく。
特別な出来事だけでなく、何気ない日常もまた、静かに過去へと変わっていく。
人は多くの場合、「失ってから」その価値に気づく。
戻らない時間、取り戻せない瞬間。
それらは後になって初めて、重みを持って心に残る。
だからこそ、本来は今この瞬間に目を向ける必要がある。
派手さはなくてもいい。
何も起きていないように見える日であっても、それは確かに一度きりの時間だ。
「限りがある」という事実は、悲しみではなく、意味を与える要素でもある。
終わりがあるからこそ、一つ一つが特別になる。
抱きしめるとは、強く握ることではない。
流れていくものを理解した上で、意識的に向き合う姿勢のことだ。
すべてを止めることはできない。
だが、その中でどれだけ大切にできるかは、自分の選択に委ねられている。
日々は減っていく。
それでも、その減りゆく過程の中で、深く生きることはできる。
限りある今をどう扱うか。
その積み重ねが、人生の質を静かに決めていく。
WORKS No.594

