WORKS No. 540 自分への優しさ

WORKS No. 540 自分への優しさ

WORKS NO. 540 自分への優しさ

優しさは
誰かに向けて
ばかりでなく
自分にもまた
そっと手渡す

優しい人ほど、自分に厳しい。
誰かの痛みにはすぐ気づけるのに、
自分の疲れや傷には、驚くほど無関心でいようとする。
もっと頑張れるはずだ。
まだ足りない。
これくらい大したことじゃない。
そうやって、自分の限界を静かに削り続けてしまう。
だが本来、優しさとは一方向のものではない。
誰かに向けるその同じ温度で、自分にも向けられるべきものだ。
自分を甘やかすことと、労わることは違う。
逃げることと、休むことも違う。
本当に必要なのは、「自分の状態を正しく認めること」だ。
疲れているなら、疲れていると認める。
傷ついているなら、傷ついていると受け入れる。
それができて初めて、人は健全に立ち直ることができる。
自分を大切にできないままでは、
誰かを大切にし続けることも難しい。
優しさは減るものではない。
正しく配分されることで、むしろ深く、強くなる。
だからこそ、忘れてはならない。
その優しさを、ほんの少しでいい、
自分にも分けてあげることを。
それが、長く歩き続けるための本当の力になる。

WORKS No.540