WORKS No. 498 距離を抱えて

WORKS No. 498 距離を抱えて

WORKS NO. 498 距離を抱えて

軽率に
通じ合う夢
掲げない
距離ごと抱えて
歩いていくよ

人はすぐに「分かり合える」と言いたがる。
その言葉は温かいが、
同時に現実を省略してしまう。
他人との距離は欠陥ではない。
違いがあるからこそ、
関係は学び続ける余白を持つ。
軽い共感を急げば、
理解したつもりの錯覚が生まれる。
だが距離を認めたまま歩く者は、
時間をかけて本当の橋を架ける。
成熟とは、
すぐに重なることではない。
離れた部分を抱えたまま
関係を続ける強さだ。
その歩みだけが、

壊れない理解へ近づいていく。

WORKS No.498