WORKS NO. 553 守るということ
その瞳
曇らぬように
寄り添って
痛みの風を
僕が受け止める
人を守りたいと願う気持ちは、決して特別な英雄のものではない。
誰かの悲しみに気づいたとき、そっと隣に立ちたいと思うその心こそが、すでに小さな勇気なのだ。
人生には避けられない風が吹く。
失敗、誤解、孤独、不安。
それらは時に、人の瞳から光を奪い、心を曇らせてしまう。
だが、その風のすべてを止めることはできなくても、隣で受け止めることはできる。
寄り添うという行為は、派手ではない。
声高に誓うものでもない。
ただ静かに、相手の世界が壊れないように立ち続けること。
それは時に、自分が風を受ける側になる覚悟でもある。
人は一人で強くなれるわけではない。
誰かがそばに立ち、痛みを分け合おうとすることで、再び前を向く力を取り戻す。
守るという行為の本質は、力ではなく、関係の中に生まれる静かな責任なのだ。
だからこそ、もし誰かの瞳が曇りそうなとき。
その風をすべて止められなくてもいい。
ただ隣に立ち、少しでも受け止めようとすること。
その小さな決意が、人の世界を支えている。
WORKS No.553

