WORKS No. 532 太陽の光が消えたら

WORKS No. 532 太陽の光が消えたら

WORKS NO. 532 太陽の光が消えたら

もしこの世から「光」が消えたなら、
それは単なる暗闇では終わらない。
太陽という絶対的なエネルギーを失うことは、
視覚の問題だけではなく、
人間の心理、体内リズム、健康、
さらには文明そのものに深刻な影響を与える。
光は単なる明るさではない。
時間の感覚を作り、
安心を与え、

生きるリズムを整える基盤である。
それでも人間は、
この状況に抗うだろう。
電力、発光技術、都市設計
人工の光によって、
「夜のない世界」を再構築しようとするはずだ。
ネオンが照らす街、
昼夜の区別を失った空間、
人工の太陽のような光源。
技術的には、
多くの問題は「解決されたように見える」だろう。
だが、そこで問いが残る。
それは本当に「同じ光」なのか。
自然の光が持っていた、
安心感、生命との調和、無意識への影響。
それらは人工の光で完全に代替できるのか。
人は環境に適応する生き物だ。
やがて人工の光の世界にも慣れ、
新しい常識として受け入れるだろう。
しかし同時に、
どこかで失われた感覚に気づく瞬間も訪れる。
光とは、
単なる物理現象ではない。
それは、
人間の内面と深く結びついた、
「存在の基盤」そのものなのかもしれない。
闇の中で灯された人工の光は、
生き延びるための答えにはなり得る。
だがそれが、
「本当の意味での光」なのかどうかは、
まだ誰にも分からない。

WORKS No.532