WORKS NO. 488 昔話になる争い
夢を見る
争いという
言葉さえ
昔話になる世界を
人は昔、争っていたのだと子供たちが不思議そうに聞く未来を想像する。なぜ傷つけ合ったのか、なぜ奪い合ったのか、と。大人たちは静かに語るだろう。「怖れと不足が心を曇らせていた」と。それでも人類は、少しずつ学び、選び直し、別の道を覚えたのだと。
理想とは現実から逃げる夢ではなく、進む方向を示す灯りだ。争いを当然としない想像力が、人の行動を変え、社会の形を変えていく。完全な平和がすぐに訪れなくても、その物語を信じる人がいる限り、世界はゆっくりと書き換えられていく。
いつか戦いの記憶が博物館の中だけに残り、日常の言葉から消える日が来るかもしれない。その未来を夢見ること自体が、すでに平和の種になっている。夢は遠くにあるのではなく、信じ続ける人の数だけ、現実に近づいていく。
WORKS No.488

