WORKS NO. 486 愛でできた兵器
兵器さえ
愛でできたら
撃つたびに
世界はきっと
抱きしめ合える
これは理想論で、馬鹿げた空想に聞こえるかもしれない。それでも問いとしては無意味ではない。兵器が化していく未来は、もはや空想ではなく現実の延長線上にある。ならば今のうちから、「効率」や「勝利」だけでなく、人間が守りたい価値そのものをどう組み込むかを考える必要があるのではないか。
もし兵器が思いやりを理解する設計だったらどうなるだろう。撃つ前に人命の重さを計算し、破壊の連鎖を最小化する選択を優先する存在だったら。矛盾しているようで、そこに未来の倫理の課題がある。技術は中立ではなく、設計思想を必ず背負う。だから研究者にこそ問いたい。何を目的に走っているのか、と。平和を無視した進歩は、単なる加速でしかない。
愛を入力するとは、甘さではない。人間の弱さと尊厳を前提にした安全装置をつくるという発想だ。想像力のない技術は危険だが、想像力のある技術は世界を救う可能性を持つ。笑われてもいい問いがある。未来の兵器より先に、未来の倫理を設計できるかどうかが、私たちの分かれ道になる。
WORKS No.486

