WORKS No. 424 誰も彼も幸せになる未来は来るのか

WORKS No. 424 誰も彼も幸せになる未来は来るのか

WORKS NO. 424 誰も彼も幸せになる未来は来るのか

誰も彼も幸せになる未来は来るのか。
その問いは、美しく、そして残酷だ。
なぜなら現実の世界は、
利益、競争、格差、運、不運が複雑に絡み合い、
誰かの幸福が、別の誰かの犠牲の上に
成り立つ場面を、何度も生み出してきたからだ。
人は同じ場所に立っても、
同じ条件、同じ身体、同じ環境を
与えられてはいない。
努力で埋められる差もあれば、
努力では越えられない壁も存在する。
その事実を無視して
「全員が幸せになれる」と語るなら、
それは理想ではなく、現実逃避になる。
では、誰も幸せになれない世界を
受け入れるしかないのか。
答えは、否だ。
全員が同時に完全な幸福を得る未来は
来ないかもしれない。
だが、誰もが不幸に押し潰されずに
生きられる社会を目指すことはできる。
幸福とは、同じ量を分配することではない。
尊厳が守られ、選択肢が与えられ、
失敗しても立ち直れる余地があること。
誰かが倒れたとき、
切り捨てられるのではなく、
支え直される仕組みがあること。
その積み重ねが、
「完全ではないが、希望のある未来」を作る。
幸せは約束されるものではない。
だが、拒絶されるべきものでもない。
問い続け、修正し、支え合う限り、
未来は少しずつ形を変える。
誰も彼も幸せになる未来は
来ないかもしれない。
それでも、誰かを不幸にしない未来へ
近づく努力をやめた瞬間、
その未来は確実に遠ざかる。

WORKS No.424