WORKS No. 900 白い旅軍——触れてはならない力

WORKS No. 900 白い旅軍——触れてはならない力

WORKS NO. 900 『白い旅軍触れてはならない力』

白い旅軍は、瓦礫の地下に封印された巨大兵器を発見した。
無数のミサイルを操り、一撃で敵の要塞を消滅させ、戦争を終わらせる力があるという。
発射台に座る少年へ、仲間たちは言った。
「これがあれば、もう逃げなくていい」
「先に撃てば、僕たちは救われる」
それは、かつて戦争を始めた大人たちと同じ言葉だった。
彼らも最初から世界を滅ぼそうとしたのではない。家族を守り、平和を取り戻すために強大な力を求め、いつしか守るべき命より、兵器の強さを誇るようになった。
少年には二つの道があった。
兵器を使い英雄になるか。封印し、明日の敗北を受け入れるか。
戦場に簡単な正解はない。
しかし、力を持つことと、それを使う資格を持つことは同じではない。「戦争を終わらせる一発」が、次の戦争を始めることもある。恐怖で生まれた沈黙を、平和と呼んではならない。
やがて空に、何本もの白い軌跡が走った。
ミサイルなのか、迎撃の光なのか、誰にも分からない。
少年が最後に押したものも、記録には残されなかった。
ただ、発射台には言葉が刻まれていた。
「大人と同じ道を歩くことが、大人になることではない」
彼らが世界を救ったのか、新たな悲劇を始めたのか。
その答えは、力を手にした私たち自身に委ねられている。

WORKS No.900