WORKS No. 676 積み重ねた代償

WORKS No. 676 積み重ねた代償

WORKS NO. 676 積み重ねた代償

積み上げた
知識の影で
揺れる朝
ふらつく身体に
時の重さ知る

頭脳労働は、静かに身体を削っていく。
重い物を持つわけでもなく、
激しく動き回るわけでもない。
だが、思考は絶えず回転し続ける。
締め切り、責任、判断、情報処理。
休んでいるつもりでも、
頭の奥では何かが動き続けている。
若い頃は、それでも走れた。
無理をしても、徹夜をしても、
気力と勢いで押し切れた。
しかし年を重ねると、
その積み重ねが静かに姿を現す。
突然の頭痛。
理由のないふらつき。
集中力の低下。

身体ではなく、「脳そのもの」が疲弊していたことに気づく。
頭脳労働の怖さは、限界が見えにくいことだ。
骨折のように明確ではなく、
静かに、長い時間をかけて蓄積していく。
だからこそ、人は無理を続けてしまう。
だが、本当の能力とは、
限界まで削ることではない。
長く動き続けられるように、
自分を整え、守ることでもある。
休息は怠慢ではない。
脳を回復させるための「維持」だ。
積み上げた知識や経験を、
最後まで活かし続けるためにも、
身体と脳の声を無視してはならない。

WORKS No.676