WORKS No. 660 タブーの世界地図

WORKS No. 660 タブーの世界地図

WORKS NO. 660 タブーの世界地図

触れるなと
線を引かれた
世界地図
知らぬままでは
心も狭まる

タブーとは、単なる禁止ではない。
それは文化、歴史、宗教、政治、そして社会の力関係が複雑に絡み合いながら形作られてきた「見えない境界線」である。
国や地域によって、その線の引かれ方はまったく異なる。
ある場所では当たり前の言葉や行為が、別の場所では深い侮辱や禁忌となる。
それは正誤の問題ではなく、「どの前提の上に社会が成り立っているか」の違いにすぎない。
しかし現代は、情報と人の移動が加速した時代だ。
この見えない境界線を知らずに越えてしまうことも増えている。
無知は時に無邪気でありながら、同時に衝突の火種にもなる。
重要なのは、タブーを恐れて思考停止することではない。
むしろ「なぜそれがタブーなのか」を理解しようとする姿勢である。
その背景にある歴史や価値観に目を向けたとき、単なる禁止は意味を持ち始める。
世界地図に引かれた線は、地理だけではない。
人々の心の中にもまた、無数の境界線が存在している。
それらを知り、理解し、時に問い直すこと。
それこそが、分断ではなく共存へと向かうための知性である。

WORKS No.660