WORKS NO. 642 甘美な依存と没入
甘やかな
囚われの中
沈みゆく
夢中の波に
身を委ねてく
それは苦しみではなく、むしろやさしい感触だった。
逃げ場ではなく、気づけば戻ってくる場所。
甘いものに触れたときのように、
一度知ってしまえば、忘れることが難しい。
意識はゆるやかに溶けていく。
境界は曖昧になり、現実と内側が静かに混ざり合う。
夢中とは、何かを追いかける行為ではなく、
すでにその中に沈んでいる状態なのかもしれない。
抗う理由もなく、拒む必要もない。
ただ、やわらかく包まれていく。
それは依存と呼ぶには、あまりにも静かで、
没入と呼ぶには、あまりにも深い。
名付けられないまま、ただ甘く続いていく感覚。
WORKS No.642

