WORKS NO. 564 作り上げた君
君のこと
何でも出来る
人のよう
僕が勝手に
作っていたよ
人はときに、相手をそのまま見ているようで、
実は自分の理想を重ねて見ていることがある。
優しく見えた言葉。
頼もしく感じた姿。
小さな出来事の一つひとつが、
やがて「特別な人」という像を形づくっていく。
しかしその像の多くは、
相手のすべてを映しているわけではない。
そこには、自分の期待や憧れが
静かに混ざり込んでいる。
気づけば、
本当の君よりも、
僕の心の中で作られた「万能の君」を
見つめていたのかもしれない。
それは嘘ではない。
ただ、人が誰かを強く想うとき、
理想はいつも現実より少し先を歩いてしまう。
大切なのは、そのことに気づいたあとだ。
作り上げた幻ではなく、
目の前にいる本当の人を
もう一度見つめ直すこと。
人を愛するということは、
完璧な存在を求めることではなく、
不完全なままの誰かを理解しようとすることなのだから。
WORKS No.564

